このような状況の中、ワクチン接種により新型コロナウイルスへの感染予防・重症化の予防が期待できますが、12歳から15歳はワクチン接種部位の腫れや発熱といった副反応の頻度が成人と比較し高い割合でみられること、また接種による不安や緊張などが引き起こす「接種ストレス関連反応(後述)」が起こりやすい年齢層であることから、これらの事象のご理解のもと、接種を考慮いただけるようお願い申し上げます。
ワクチンの効果について
当院で採用しているのはファイザー・ビオンテック社のワクチン(国内では2021年6月1日から12歳以上で接種適用開始)です。海外で行われた12〜15歳の2,260名(ワクチン接種1131名、プラセボ(偽薬)接種1129名)を対象とした臨床試験で、このワクチンを2回接種後、2か月〜5か月の観察期間において、新型コロナウイルスの発症者がワクチン接種者で0人、プラセボ群で16名と高い発症予防効果が得られました。また接種後には高い抗体価を認めました。この報告をもとに、日本でも12歳以上の接種が承認されました。今後日本においても、この年齢層における効果や安全性のデータが蓄積されると考えられます。また慢性の心臓病、腎臓病や神経疾患などの基礎疾患がある方は、感染による重症化のリスクが高くなると考えられており、むしろ積極的な接種が望ましいとされています。
ワクチンの副反応について
上に述べた海外での臨床試験においては、8〜9割で接種部位の痛み、およそ6割で倦怠感や頭痛、2割程度で38度以上の発熱がみられ、成人よりもやや高い頻度で報告されました。1回目より2回目接種後に副反応が生じやすい傾向があり、多くは接種後2〜3日で回復するようです。入院を要する重篤な副反応は稀でした。また10代から20代の男性を中心に、接種後1週間以内に心筋炎や心膜炎を起こした例が報告されています(接種10万回に4回程度)が、ワクチンとの明確な因果関係は結論づけられていません。これらのほとんどは軽症で回復していますが、胸の痛みや呼吸困難などがみられた場合は速やかに医療機関に相談してください。
接種ストレス関連反応について
10歳代は、ワクチン接種前後の不安や痛みによる心理的影響で、動悸、過換気、あるいは血管迷走神経反射(めまい、失神)等が生じやすい年代です。また、接種後しばらくして知覚や運動が障害される「解離性神経症状反応」がワクチン接種に関連して生じる可能性も、子宮頸がん予防ワクチン接種後の反応などから議論されています。これらの反応を包括して接種ストレス関連反応と言います。不安や緊張を強く感じる方は、接種時に家族など身近な方が同席する、あるいは横になって接種を受ける等の対応が有効と考えられます。
副反応による健康被害が起きた場合の補償制度
新型コロナウイルスワクチンにおいても、接種によって健康被害が生じ、医療機関での治療が必要となった場合や障害が残った場合、その健康被害が接種を受けたことによるものと国の審査会で認定された際には予防接種法に基づく救済(医療費、障害年金等の給付)が受けられます。
以上の情報を参考にして、お子さんがワクチン接種を受けるかどうかを、ご判断していただく事をお勧めいたします。
小児科・内科医長 甲賀 健史
12歳~15歳対象新型コロナウイルスワクチン接種について
対象
茅ヶ崎徳洲会病院かかりつけの患者様で各自治体より接種券の届いた方
受付日時
月曜日~金曜日(祝祭日除く)9:00~16:00
受付電話番号
予約はお電話のみで受付いたします。
TEL:0467-58-1311
※予約後、新型コロナウイルス感染症に罹患した方へ
当院にてコロナワクチン接種の予約をされた方で、1回目接種前及び1回目接種後から2回目接種までの間に新型コロナウイルス感染症に罹患した場合、接種日の予約変更が必要となりますのでご連絡ください。
その際は、発症から3週間経過後にCOVID-19抗原定量検査を実施し陰性確認後、翌日以降の接種予約となりますので予めご了承ください。






